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「見知らぬ乗客」東京グローブ座 8月6日マチネ③

やっと感想です。




初生ニノ♥
おおおお、生ニノ♥
まして前から3列目。おおおお近いぞっ!!!
目があったらどーしようーーー♪ キャーーン♥
芝居がはじまる緊張感ではなく、ニノに会えるという緊張感いっぱいで、
幕が空くのを待っていました。

が、しかーーーーーーーーし、
そこに、ニノはいませんでした。おーまいごーど。
そこにいたのは、ブルーノ、そしてチャーリーでした。

芝居:ニノ、う~~~~ん、4:6?いや、3:7 かも!
の割合で、ニノ観たかったんですけど・・・・
今回、ニノは、演出のアッカーマンさんのコマとなる、
という決意だったらしく、いつものニノは限りなく 0 に近かったです。

もうちょっと、ニノっぽくてもねぇ~~~・・・(←しつこい)
な~~んて、私は思ってしまうのですが、
ニノ担の娘に言わせると、
「ニノっぽさなんていらない。その才能そのものがニノだから。」
才能に惚れているんだそうです。
はーーーーほーーーー、なるほどねぇーーーーーーー。


カーテンコールでも、ニノはいませんでした。
それが、ニノのスタンスなのでしょうね。
まぁ、芝居も好きなんで、十分満足はしたんですが、
あ~~ん、やっぱ、アイドルのニノが観たかったのよ~~~(泣)


幕が開いて、まず列車のシーン。
舞台が回転すると、ブルーノとガイが座っています。

まず、ブルーノがガイに交換殺人の話をもちかかるんだけど、
この冒頭のニノの台詞が長い長い。
もう、まくしたててるって感じ。よく通る声で、流暢に。凄い。

でも、言ってる内容が、メチャクチャなの。オマケに、ふらふら。
最初、列車の中だからふらふらなのかしら?
って思いましたけど、酔っ払ってるからなわけ。
ああ、酔っ払ってるから、言ってる内容がメチャクチャなのかー
って思ったら、どうもそうではないらしい。
そのあたりから、ゾクってするんですよねー。

なんてったって、唐突。
ブルーノがいきなり自分のことを話しだして、
「お互い、もう見知らぬ乗客じゃないんだ。僕らはそれ以上なんだ」 
「僕は君が好きなんだぁ」 
えーー!!いや、まだ見知らぬ仲でしょ!!
うっそーーー、出会ったばっかじゃん!!
って、いちいち突っ込みたくなるんだけど・・・・

いやいや、ニノの演技が、そんなことをさせないわけ。
喜んだり、甘えたり、寂しがったり、いたずらっぽい表情だったり、
でも、目つきはマジだったり、いきなり叫んだり、脅したり。
違和感を感じているガイをみて、楽しそうだったり、必死だったり。
その様子から、だんだん、
「異常」とか「狂気」とかの言葉が浮かんでくるわけ。

ここまで、開演10分くらいかなー???
ニノが、この芝居は、
「開演5分が勝負」って言ってましたけど、
はい、完敗でしたねー。
この時点で、私は、ニノを追うことを諦めました。


で、ママとのシーンになると、ブルーノはチャーリーになるのよ。
うん、違ったよなーー。
まぁ~~~秋吉さんの妖艶なことっ!!!って、これはおいといて。
で、チャーリーの場面では、ニノは素肌♥にガウン、そして素足♥
はだけたガウンに大胆な動き。
きゃ~~これがまた、見えそうで見えない。(←何が?)

「ねぇチャーリー、あなたのことをわかってくれる女は、
 私一人しかいないのよ」
「あなたのことを本当に愛しているのは、私一人しかいないんだからぁ!」
「ねぇ、踊ってよ」
はいはい、わかります。全力でわかります。
私もムスコにこう言いたいし、踊れるものなら踊りたい。
うんうん、ムスコは永遠の恋人ですから。
でも、言いません。ムスコが嫌がるし、どうせ踊ってくれないから。
嫌がらないチャーリーは偉い!!ムスコの鏡。

ムスコをずっと自分のものにしておきたいって願望は、
母なら、だれにでもあるんじゃないかなぁ~?
ってそんなことない? げっ、私も危ないヒトかも・・・・

ガイの妻は、ブルーノが絞殺するんだけど、
このガイの妻役の、岡田さんが存在感がありました。
この殺人の後は、ほぼブルーノとガイの二人芝居でした。

ガイ役の内田さんも素晴らしかったです。
ブルーノに付きまとわれ、ブルーノを憎む。でも、それだけではない。
終始ブルーノのことを考え、心をブルーノに支配されてしまう。
正反対のブルーノの根底に、自分と同じものを感じたのか?
同性愛に目覚めたのか?
いや、究極の人間愛でしょ?
最後は、愛情にも似た感情にまで高まっていくんですが、
その途中の、苦悩、混乱、怒り、苛立ち、憔悴が、
鳥肌もので、伝わってきました。

ニノの狂いっぷりも凄い。
まぁ、ニノにはお得意な演技なのかもしれませんが。
声のトーンの使い分けも印象的だったけど、
やっぱり、目の演技が凄かったです。
目線は私達の席より後ろなんだけど、
目の動きはよくわかりました。

怒りでも、いろいろな怒りがあって、
悲しい怒りだったり、寂しい怒りだったり、激昂だったり、
不安からくる怒りだったり、自分への怒りだったり。
耳が真っ赤でしたわ。んふ。

台詞が終って、目線を落とす瞬間とか、
ライトが外れた瞬間なんかに、
ちらっと、ニノだったりして♥ ちょっとホッとしたり。
はい、照明当たってなくても、ニノをガン見してましたから。(笑)


この作品はサイコサスペンスとのことでしたが、
う~~ん、これ、「悲劇」でしたよ。

悲劇って、決定的な悪者はいないと思うんですよね。
決定的な悪者がいたら、それは悲劇ではなく、事件??みたいな??
だれも悪くない、いや、誰もが少しずつ悪い、
間も悪いし、タイミングも悪い、
そんな、小さなことが重なって起こってしまう悲しい出来事。

まぁ、芝居なので、かなりデフォルメされてはいますが、
こういうことって、フツウの生活のすぐ隣にあるのかもしれない、
って思いました。

結局、愛を求め続け、叶わなかったブルーノ。
愛を知らずに逝ってしまったブルーノ。
その、行為は狂気に充ちていましたが、
不器用で、純粋で、きっと正直なブルーノ。
こうなる前に、誰か、なんとかできなかったのっ!!!
っていう気持ちでいっぱいでした。

クライマックスの、「ママぁ~!」の叫びは、
母親なら、誰でもハッと振り返るような声でした。
パニックってる子どもの叫び。
あ、早く行かなきゃ。早く行って抱きしめよう。って。
もう、私、舞台に上がりそうでしたわ。
「チャーリー、私のところへいらっしゃい。」って。


どうすることもできない「悲劇」。
久しぶりに、そんな芝居を観ました。
芝居の内容は、若い方には、ちょっと重かったかもしれませんし、
また、好き嫌いの分かれる作品であるかもしれません。
私は、堪能させていただきました。
疲れましたが、心に残る芝居でした。

役者:二宮和也、素晴らしかったです。

アッカーマンさんの演出は初めてでしたが、素敵でした。

カンパニーの皆さんお疲れさまでした。

ありがとうございました。





はぁ~、相葉ゴトにもどりま~~~す。

by emerald-arashi | 2009-08-12 15:39